なんて穏やかで優しい世界

ネタバレ

2023年9月10日

このレビューはネタバレを含みます▼ そもそも『同性のカップルについて考えないと』という風潮がある時点で、この国は心優しい国であると思う。忌避されているわけではないが、公然と話すことではないとやはり日陰を歩かされる同性婚問題を解決するため、お偉いさんたちの権謀術数に嵌められた形でなし崩し的に結婚することになった二人だけど、穏やかに心が近づいて行く様は読んでいて心地良いと感じるほど。
前半は主にニデル目線での話。気まぐれな猫の雰囲気で、ちょっと気になるあいつにチョッカイかけようかな、みたい感じで身体の関係になったように見えた。
それが、後半メイン視点がレガートになると、ニデルの印象は一変。子供っぽい性格なのかしら、と思っていたけど周囲のニデル評は真逆で、ニデルから見たら同い年なのにしっかりした大人の男という感じのレガートは、恋すら知らず優柔不断なところのある朴訥とし男だった。
双方からの印象と、周囲から見た二人とか、お偉いさんたちの交遊関係とか…さほど長くない話なのに、気づけばどっぷりこの世界観にハマっている自分がいた。
現実もこういう偏見の無い優しい世界になればいいのに、と思った。

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まいたけさん

(女性/－) 総レビュー数：2件

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