ふったらどしゃぶり~When it rains, it pours~ 完全版
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ふったらどしゃぶり~When it rains, it pours~ 完全版

一穂ミチ/竹美家らら

大変良かった

2023年9月10日
感想をスマホのメモに書き連ねてみたら軽く1000字なんて超えてしまった。コピペもできないし、短くまとめるにも書き留めていた時の自分の熱量が失われていくしでうまくいかない。
萩原と半井さんの相性が良いのは、お互い性欲と愛情が両輪となった恋愛を望んでいるから。そこが違うと一緒に暮らしていても歪みが生じ破綻する。BL小説でありながら男女の同棲を普通に物語に登場させ、またかおりの先輩夫妻のエピソードも強烈で、一般的な「家族」というものの不安定さや脆さも描き、男女だからとか男同士だからとかいう次元ではなく、相手を身体ごと求める気持ちを肯定する、それを肯定し合える間柄の相手に出会うまでの、苦しく切ない重みと、うるさくも静かな、いろいろな雨の仄暗さ冷たさ温さ、雨が上がった時、夜が明けた時、こころが晴れた時の眩しさ、求めるものに出会えた嬉しさ、興奮、幸福感。いろいろな感情を受け取れる良い作品でした。
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