このレビューはネタバレを含みます▼
他の方のレビューで、最終章を楽しみにしていましたが、やはり。最終話がバタバタと畳まれてしまった感が強く。
主人公達への心情に寄り添う事に没入出来なかったというのが正直なところ。しかし、最期まで麗しい絵で魅せてくれたし、毎号の表紙の麗しさには嘆息致しました。本当に美しかった!結局。ティアが捨てられた前世とは、毒に冒された非業の王太子と、神の悪戯で、選ばれし者が2人だったという事?だったのかなぁ。あんなにティアを苦しめた美優も、ルブに選ばれた前世ですら非業の死を遂げているし。今世ではルブに愛される素振りすら許されなかった。でもまぁ、ティアを脅かしただけでそりゃもう重罪ですけどね!
心を通じ合わせたルブとティアのその後が読みたかった。ティアは毒が抜けて世継ぎを望める「みたい」だけど、あくまで不確定未来の話だし。王家反発派の膿は出し切った様だけど、この国の未来も不確定。また、新たな大神官がどういう経緯で選ばれるのかは謎だが、何処かで産まれたばかりの赤ん坊が「6人目」という。主神の啓示なんだか分からないが、神殿が力持ち過ぎの謎。そういう設定なんだからそういうモノなの、と言われればそれまでだけど。ティアの心の成長に不可欠だった、アレン(緑)とカルセイン(赤)も、「恋」未満。それとは気付く事なく静かに退場。ルブが嫉妬する程の壁となって欲しかったのに。ティアを溺愛するパパが、前世とは違って生きてティアを支えた今世だから、未来を大きく変えたのかな、というのが一番大きい気がする。ルブ、パパを越えるいい男になれよ!
とにかく読み応えのある大作でした。ありがとう!