主軸が分かりづらい

1巻だけでは低評価になりがちというレビューが多く、3巻まで読みましたが大きく評価が変わることはありませんでした。ずっと主人公や親族への印象に「厨二病」が付きまとってしまい、愛に悩む主人公を見てもいまいち共感しづらいです。

まず、序盤の婚約破棄についてさまざまな視点から描こうとしすぎて分かりづらくなっています。1巻丸々使う必要があったのか疑問ですし、ストーリーの組み立て方、読者に説明をする順番がちぐはぐな気がしました。オチはよかったと思いますが、伏線もなしにいきなり言われても相手をそこまで追い詰める要因になるのか納得できませんでした。

次に、2巻以降は話が動くため、1巻より楽しめたのは事実です。あまり評価が変わらなかったのは、結局のところ物語の主軸をどこに置きたいのかが理解できなかったからです。
家や国同士のやり取りを主人公がうまく進めて国の繁栄に貢献する才女として描きたいのか、愛に悩む少女として描きたいのか、私には中途半端に見えてしまいました。今のところ後者なのだと思っていますし、才女と普通の少女とのギャップを狙っているのかもしれません。ただ、だとしたら1巻が冗長過ぎて邪魔をしています。

また、画力が微妙というレビューもありましたが、私は好きです。漫画の描き方として好き嫌いはありそうなので、絵は好きだけど読みづらいという感想でした。ダークさやミステリー要素は個人的には感じられず、ただただ何を楽しめばいいのか分からない作品だったと思いました。

最後に、1巻だけ読んで遠ざけるのは勿体ないというほかの方のレビューには同意です。少しでも興味があればせめて2巻まで読んでみることをオススメします。