リアルな心理描写がおもしろい、２巻切ない

凡人の主人公が異世界に1人放り出されて、試行錯誤しながら自分の居場所を確立していく話。私自身の「準備が不十分なまま1人海外に移住した時の心細さやワクワク感」を思い出しました。物珍しさから受け入れられるも、続く日常の中での苦労や挫折、励ましてくれる存在、自分を見つめてくれる存在など、ファンタジーではくくれないリアルさがあります。初期の主人公の緊張が徐々に解けて心を開いていく描写も素晴らしいです。主人公が幼く感じる等の感想もありますが、何も持たない状態では、自分の一番素直な欲求や言葉が出るんだよなぁと、むしろ強く共感しました。主人公の考え方やしぶとい根性も好きです。
挿絵のイメージがちょっと違った。繊細美少年設定にしては、少年漫画に出てきそうな太い立派な眉毛だなぁと（笑）