奪われることまるごと全部
」のレビュー

奪われることまるごと全部

阿部あかね

表題作おもしろい

ネタバレ
2023年9月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 2篇収録。
表題作,浮気性でバカな鷹緒(受け)とそれを溺愛する美長(攻め)。二人の関係はかなり強引に始まり鷹緒の浮気性はいつまでもなおらない。浮気して突き放されて落ち込んで仲直り、のやり取りがコミカルで面白かった。鷹緒が女子大生と浮気しようとしているところを美長に見つかって、美長に水ぶっかけられてからの「尻出しな」の展開とか、「別れるぞ」「それ次言ったら殺す」とかのやり取りとか、ちょこちょこ笑えた。散々な関係だけどじめじめしたとこゼロでよい。で、読んでると忘れそうになるが二人とも高校生。だが高校生のういういしさは一欠片もない、私はそこが好きなのだが。
美長の髪型が好みではないのだけれど、その好みじゃない髪型を差し引いてもお話がおもしろいと思った。鷹緒のがっつり浮気シーンがあるので嫌な人は嫌だろう。でも私はむしろこういう受けに萌える。
2作目「水平線の上でダンス」,攻めと受けってどういう関係?ってちょっと考えてしまった。会話の内容をよくよく考えてやっといとこかな?と思った私はバカか?
攻めは30代で受けは高校生、この年の差で、かつ未成年のほうが受けだと私はあんまり萌えないことのほうが多くて、このお話もやっぱりあんまり萌えなかった。攻めは好きだとかいいながらやり逃げしますが、受けは健気に泣いてるような子ではなく、いつか追いついて償わせてやるよなんて感じで強気で明るくいるような子なのはよかった。

表題作のみで1冊読めたらもっとよかった。表題作は★4、「水平線」は★3。
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