王子様にはなれない【電子限定描き下ろし付き】
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王子様にはなれない【電子限定描き下ろし付き】

赤色マッシュ

容赦なく心抉られる描写

ネタバレ
2023年9月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 挫折した夢や大人になっても引きずるコンプレックス、皆「心にくすぶり続けるやっかいな感情」を隠しながら日常を生きてるんだよね。。ましてやそれが本人の努力でどうにもならないものであれば黒い感情は浄化されずなかなか成仏されないのでしょうね。
サイコア⚫︎ルのちおりは多分過去をしっかり成仏させて今のベストを生きていて、ジュンはまだ浄化しきらない感情を抱えていたと思います。それが表現力の差にもつながっていたのかもと感じました。なのでトラウマの原因であるマコと再会したのは本当に良かったと思う。それにしても作者様はよくこんなに「最大に心を抉られるシチュエーション」をたくさん思いつけるなあ。サイコのメンバーとして活動している時に、(自分があきらめざるをえなかった)プリマとして活躍するマコと会うシーン。しかも舞台中に(よりによって)マコがステージを見に来ていることに気づいて激しく動揺するシーン。屈辱的な姿で手錠をかけられたのをマコに助けてもらうシーン。ビ⚫︎チな負け犬としてかつてのライバルに抱かれるシーン。もうどれも切なくて抉られます。手錠の鍵をもったマコが「助けて欲しかったらもっとご機嫌をとれ」と言った時にジュンが「お前と2回するくらいなら鍵を捨ててくれ」と言ったシーンは、気持ちが分かりすぎて泣きそうでした。でもこの激しく傷つけ合う「感情のドブさらい」なくしては、お互いに抱える「黒くベトつく感情」は落とせなかったはず。ジュンはよくマコと向き合ったと思います。(サイコのダンサーとしてマコと会うのは相当な痛みがあったはず)
ていうか実はジュンはすごい。一般的にはバレエ挫折したら普通に就職したり、バレエスクールのを講師をやるなどの道かなと思うけどジュンは「表現者」としてあり続けたい気持ちからは逃げなかったんだな!今の自分の体格と実力を最大限活かせる場所で戦い続けているのは尊敬する!負の感情を浄化した今、表現者としてもぐっとレベルが上がると思う!続きが見たいなあ!
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