ヤンデレ魔法使いは石像の乙女しか愛せない 魔女は愛弟子の熱い口づけでとける 【短編】
」のレビュー

ヤンデレ魔法使いは石像の乙女しか愛せない 魔女は愛弟子の熱い口づけでとける 【短編】

セキモリ/クレイン

物語に癒される

ネタバレ
2023年9月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 河合隼雄さんでしたっけ?物語には人の心を癒す働きがあると(違っていたらスミマセン)。傷ついた子供が善が具現されたような女性と出会い、一度は生き別れ、その女性の理想とする善を現実化し、再会を待つ物語。心身に酷い扱いを受けたことがなくても、生きていたら心には無数の傷がつくものです。その傷をアリステアと共にララに癒され、世の中にたつような何かが自分の中に生じてくるような気持ちにさせられました。そして、自分の中に、ララのような暖かく安定した母性的な愛も生じてくるような気持ちにも。この物語には、どんなに傷ついてても、虚勢をはっていても、誰しもが心の底に持っているであろう善を刺激する、表面化させる力があると思います。石像を崇める様子は、仏像信仰やマリア様信仰的?怒られちゃうかもですが、仏像信仰には性的なものもあった?ように思うので、キモいっちゃキモい感もありますが、アリステアのララを思う気持ちは信仰的な要素もあるので、わかりみがありました。変な信仰だとおうむのようにヤバすぎることになりますが、ララのような健康的な善を信じれば、よき人間になれ、よい人生を歩めるのだなと。大人が読むにはエロありでよいと思いますが、エロ抜き、もしくはエロ匂わせ的なバージョンもあれば、子供にも一般層にも広く受け入れられるのに、と思います。8巻まで読んで、一気に全部買いしてしまい、原作のラノベまで買ってしまいました。本当に素晴らしい物語です。たくさんの方に読んで欲しい。
いいねしたユーザ10人
レビューをシェアしよう!