無自覚聖女は今日も無意識に力を垂れ流す 今代の聖女は姉ではなく、妹の私だったみたいです
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無自覚聖女は今日も無意識に力を垂れ流す 今代の聖女は姉ではなく、妹の私だったみたいです

あーもんど/あんべよしろう

うーん?

ネタバレ
2023年9月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 全部読んだけど、うーん、なんか色んなところで惜しいというか、自分には合わなかったというか。あまり楽しんで読めなかったな。

まず、漫画版とはカロリーナの性格が若干違いますね。原作の彼女はやたら立ち直りが早いというか、仕事人間で家庭を鑑みなかった父親の本心を少し知ったくらいで、そんなにすぐ自己肯定感が回復するか?と疑問に思いました。まあ彼女が本当に自信を取り戻したのは帝国の人々のおかげなんだけど、やっぱり立ち直りが早過ぎる。
原作に対して解釈違いというのも変な話ですが、先に漫画版でずっと自分に自信が持てなくて、自分を不必要に追い込んでしまう健気なカロリーナを見ていたので、原作の彼女はどうしても別人に思えて感情移入できませんでした。漫画版に比べて全体的にキャラ造形が浅いのよ。

そして本文は基本的にカロリーナ視点で、モノローグを交えつつ描写されるのですが、このモノローグが女言葉で書かれててそれがすごくオバさん臭く感じました。会話のセリフだとそうは感じないんですがね。そのせいで彼女の印象がなんか…か弱い令嬢ではなく快活な肝っ玉オバちゃんみたいに感じて、人物像がわからなくなった感はあります。

あと一番問題なのはラストが締まらない…ふわっふわで何となく終わってる点です。ラストの一文とか章って重要だと思うんだけど、ふわふわ過ぎない…?
書き下ろしでちゃんと締めるのかなと思いきや、こっちも各キャラのその後をほんのちょっと書くばかりで、やっぱりたれ流し感が否めない。マリッサとかあの終わりで幸せになれるとは到底思えないんですが。締めのプロット考えてなかったのかな…。

他にも帝国内の過激派の問題いつ解決した?とかカロリーナのギルバートとの噂が払拭された描写いつあった?とか気になることは多々ありますが、全てひっくるめて「残念ながら私には合わなかった」これに尽きます…。

[他どうしても言いたいことなど]
・エドワード…仮にも女性向けラノベのヒーローが男女平等パンチをかますのはどうなの。愛しの妻の命の危機だったからやむなしではあるけども。
・ネイサン国王…カロリーナを帝国に追いやったくせに、彼女に謝罪のひとつもないのはモヤモヤする。あらゆる国難が降りかかったから報いは受けてるけど。
・テオドール…お前がスーパーマンなのはわかったけど、もうちょい婚約者を大事にするか気を遣うかしろや。
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