bitter drop ビター・ドロップ
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bitter drop ビター・ドロップ

四宮和

言葉にするのは難しいけど

ネタバレ
2023年9月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 気になっていた作品。セールにて購読。
以前先生の『心情呼吸』を読んですごく心に沁みたので、こちらも読みました。

この作品の主人公は適当に毎日を過ごすハル。
表題作では、双子の弟・鋼が野球部の先輩と思い合っていることを知り、自分には経験のない感情を持つ弟を羨みつつ嫉妬しているストーリーです。
色んな人と付き合ったり別れたりを繰り返しているハルは、恋愛の上辺しか知らなくて。でも鋼からすると、ハルはなんでも簡単に手に入れているように見えるんだなとわかり、そのギャップさえも苦しいです。
2話目からは、そんなハルとクラスが一緒になった元野球部の風間が仲良くなるお話です。
一緒に過ごす時間が多くなり、独り占めしたい感情にかられるけど上手く言葉にできない。ゆっくり時間をかけて、この時間を楽しむストーリーです。
風間が、思っていた以上にハルのこと好きなんだなと思ってびっくりしました。年季が入ってる。
鋼と初めてバッテリーを組んだ時の言葉も、鋼にとってはひどい言葉だし。笑
だから最初に数学の教科書いきなり貸してくれんたんだ〜と後から納得しました。
ずっと見ていただけだったハルと、同じクラスで一緒に過ごせるようになったの、ほんと良かったね。
それだけクソデカ感情持っているのに、ちゃんとハルの気持ちが追いついてくれるのを待っていて暴走しないのがすごいし偉い。描き下ろしの後、どこまでイチャイチャできたのか気になります。
ハッキリ好きとか付き合うとか言葉にしていないけど、会話の中でお互いに好意があるのはわかってて、それ以上にお互い顔が物語ってますよね。モノローグじゃなくて、表情で語らせるのが上手いなぁと思いました。
他の作品も読みたいと思います。
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