このレビューはネタバレを含みます▼
優美な表紙と魅惑的社交界始まりの期待に反して、禁酒法〜世界恐慌という最もしんどかった時代の米国舞台の話でした。
新年パーティで出逢ったエリオットとロバート。
裕福な白人の子×貧困街の中国系の子として偶然出逢い心を寄せ合うも、離れ離れになった少年時代からの再会が始まり。
過酷な出自のリンチェ(ロバート)が生き抜く為の支えだった唯一の宝=儚い想い出。それが運命的再会で護るものに変わったことで破滅に向かい…。
人種差別、未来が見えない時代に巻き込まれた人々の混乱絶望など、大狂騒時代の厳しさが込められた一冊◎これが洋画なら呆気なく散るだろう二人の人生だけど、幼い頃の約束に縋る熱い覚悟を決めたラストシーンに感動した素晴らしいBL◎
愛あるタイトルも深くて素敵◎
あの時代出逢うはずのない二人の運命的恋愛譚良かったです。
気持ちに足掻く冷たい流し目や苦境での逢瀬が官能的で、握手が離れる瞬間長い指を絡めるシーンが一番エロチックでした