このレビューはネタバレを含みます▼
作者様があとがきで、「そんなにロクデナシじゃないんじゃないか」と書かれてましたが、はい、南元(攻め)はほんと別にロクデナシじゃないです!なのでほんとのロクデナシが読みたい方は期待外れなのでは(笑)
南元(攻め)には複数の彼女がいて、伊崎(受け)とも最初は遊びでやってしまうもいつしか本気になってしまうというお話。南元が複数と同時につきあっているのをろくでなしといっているのだが、彼女たちも合意の上だし、騙したり嘘ついたりしてるわけじゃないし、まあ別にいいんじゃないの、と私は思ってしまう。伊崎は最初から南元が好きなのでぐるぐる悩み、南元に自分の本心を知られないようわざと素っ気ない態度をとり悪態をつく。人生楽しいのが一番!でポジティブな南元は伊崎の悪態にもへこたれることはない。この二人のやり取りがとても楽しかった。
警察ものということで、いくつかの事件が発生し、南元と伊崎とで解決に取り組むのだけれど、事件の顛末は話の主軸ではないので割りとさらっとしていて、そのさらっと感がむしろちょうどよかった。
軽い気持ちで始まったはずなのに高木のことで嫉妬する南元とか、事件解決したあとの打ち上げとしてだけと伊崎に言われて、いざ事件が解決すると待ってましたとばかりにやる気満々で伊崎を誘ってくる南元とか、しだいに本気になる南元が大変おいしかった。そんで南元の態度や言葉に、もしや嫉妬してくれてる?と浮きたち、でもそんなわけないと否定する伊崎とかっていうのがまた好みな感じ。「入れろって言ってんだよ!」と怒鳴っちゃう伊崎も好きーー。
高木もいいキャラで、二人の関係をかき回そうとしてるようで、助け舟出してるようで、一癖あってよかった。