このレビューはネタバレを含みます▼
光輝くようなヒーローが、戦いや政争によってボロボロに傷ついていくストーリー。とにかくクラウディオが痛ましく、愛おしい!日本でいうヤマトタケルや義経みたいに、人類が愛する悲劇のヒーロー像そのものじゃないですか。もう刺さりまくりです。
あとがきで作者さんが「ヒストリカルミーハー」を自認するだけあって、ストーリーの要となる中世ヨーロッパの覇権をかけた宗教戦争、滅びゆく大国の腐敗ぶりなど、しっかりと書き込まれていて物語に引き込まれます。長編小説のような重厚さをもちつつ、小気味よくストーリーが進んでゆく。すっかり作者さんの虜になりました。★5を超えて、とにかく素晴らしい。
ちなみに、悲劇のヒーロー像と書きましたが、ちゃんと救いはあります。つらいだけのお話ではないので安心して読めます。歴史もの好きな人には、本気でオススメです。