このレビューはネタバレを含みます▼
突然の異世界憑依で、ピンチになったヒロイン、アデライン。敵だらけの状態でスタートした彼女が足掻いた結果、猛獣のようなラスボスであるクラウスさんに捕獲された……と見せつつ、別の見方をすると、クラウスがアデラインに捕獲された、という風にも見えた。何せよ、今まで好き勝手に、自分の目的を最優先するクラウスの手綱は今、アデラインが握っているようになった。そんな、猛獣と猛獣使いの関係って、私、ものすごく好きです……その塩梅、パワーバランスもとてもいい感じで、やりすぎず、なさすぎず……二人のやり取りを見る度に悶えました。主役の二人だけではなく、サブキャラも全員キャラが立っていて、二人だけの世界ではなく、ちゃんと「こういう世界があった」と感じた。欲を言えば、もう少し主役の二人のやり取りを見たいですが、サブキャラにも愛着がわきましたので、これはこれで……と思うところもあります。イラストも話とすごく相まって、アデラインの気高さ、クラウスの色気、素敵です。番外編も特典も必見!ですが、後書きがないのが少し寂しいです(私は後書きを読むのが好きですので)