このレビューはネタバレを含みます▼
ちょっとずるくない? 颯。と最初の方思ったりもしましたが、その無自覚なずるさがリアルだなあ、恋だなあ、と思いました。会いたい素振りはみせないのに、会う時に好かれようと服装を好みにあわせたりね。あるあるそういうの。颯が自分の気持ちに気づけてよかった。型にはめた対応して、泣かれて、泣きたいのはこっちだ、というシーンが私は好きで、あー、移りゆく日々の1ページだ、と思いました。365日の1日から話が始まりますが、1日だったり一緒にいる一幕だったりが拡大され、読み手も1日の貴重さに触れられます。細部が沁みるこの話が好きで、何度か読んでいます。