コワモテの隣人がΩだった時の対処法
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コワモテの隣人がΩだった時の対処法

ニクヤ乾

恋物語

ネタバレ
2023年10月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ これは恋のはなし。何だか無性にそう言いたくなった。
表紙のコワモテな彼がΩであるところに惹かれたけれど帯がうーん…私には刺さらず。一度は回れ右したけど後日見かけたレビューで読みたくなり購入。何ということでしょう、買って良かったと心の底から思いました。
αの友人達が遊びまくりなのを何だかなぁと思って見ていた晃太。そんな晃太も己の暴力的な性欲を知ることとなります。その相手は怖いとずっと思っていたお隣さんの宮永。宮永を意識していくのが、Ω特有の匂いによってだけでなく例えばタバコの残り香やちょっとした会話なんかで見て取れて、そんなすごく普通なところがとても良かったです。
オメガバースの作品を読んでいると私は忘れがちなんですが、彼らも恋愛してるんですよね。ついつい匂いや運命や性欲に注目してしまうのですが(だってエッチな作品が多いから)。高スペックだけど(この作品内での)αらしからぬ所、怖そうだけどそうじゃない面もあるという月並みだけれどギャップが良くて、この2人はそれが私にとってとてもツボでした。
どこまでも宮永を大切に思う晃太の純情が沁みました。晃太の話ばかりですが、宮永が恋に落ちたきっかけが私は最高に好きでした。ああこの子は今までαにいい感情を抱いてこなかったんだろうなと過去を思わせるような、だからこその理由がとても好きでした。そういえば両思いなんて言葉、久々に聞いた気がするなぁ。すぐに読み返したくなるお話でした。あと地雷の人もいるかもしれないけど受けに脇毛が描かれているのを初めて見て感動しました。
分からない点が一つ。5話に出てくる小包(ロッカールームの)は何?思わせぶりに出てきたけどその後出てきましたか?分かってないの私だけ?
【追記として】晃太がなぜ冒頭でΩの匂いに反応したのかについて。宮永がヒートだったからだと思います。ネタバレになるので詳しくは書けないけどお話の後半で特異性αについての説明がされていました。全く分からないのではなく鈍感ということ。私はそう解釈しました。
ただ作品内でネット記事として出てた“一生浮気しない”という記述には疑問があります。宮永との出会いのような強烈なヒートのΩと遭遇した場合は、両思いではなくとも匂いは分かるはずで間違いが起こり得ると予想できるので。
そこらへんの齟齬が今後キチンと整うといいなぁと思います。
1巻169ページ。
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