アイデンティティについて考えさせる良書





2023年10月13日
移民による治安悪化や文化の摩擦といった様々な問題を考えるにあたって、本書はその根本的な部分、社会を成り立たせている考え方・アイデンティティについて光をあてている点に特徴がある。
そのため、本書で行われている問題提起は普遍性を持っており、まだ移民問題が明確に問題視されることの少ない日本にとっても参考になる部分が多いように感じた。
特に「欧州から信念や信仰が失われたという事実~中略~それによる影響はさほど頻繁には考察されていない」という問題提起は、日本にとっても他人事ではない問題である。
「信念や信仰が失われた」社会に、その社会とは全く違った、信念や信仰が失われていない人たちが大挙して生活した場合、果たして両者が幸福に暮らせる余地があるのか、余地があるとしたらどういった場合なのか、結局のところ本書にその答えがあるわけではないが、良い疑問を持つのに適した本であると思う。
そのため、本書で行われている問題提起は普遍性を持っており、まだ移民問題が明確に問題視されることの少ない日本にとっても参考になる部分が多いように感じた。
特に「欧州から信念や信仰が失われたという事実~中略~それによる影響はさほど頻繁には考察されていない」という問題提起は、日本にとっても他人事ではない問題である。
「信念や信仰が失われた」社会に、その社会とは全く違った、信念や信仰が失われていない人たちが大挙して生活した場合、果たして両者が幸福に暮らせる余地があるのか、余地があるとしたらどういった場合なのか、結局のところ本書にその答えがあるわけではないが、良い疑問を持つのに適した本であると思う。

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salmon さん
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