ハッピー・オブ・ジ・エンド
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ハッピー・オブ・ジ・エンド

おげれつたなか

泣きながら3巻一気読み

ネタバレ
2023年10月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ BLとか恋愛漫画とかの枠を超えて胸がきゅっと締めつけられる作品でした。
登場人物全員が人間味に溢れていて、善人も悪人もいない。私たちから見て悪人に見える人だって悪人に堕ちるまでの苦しみがあって…でもそんなの巻き込まれる側からすれば知ったこっちゃなくて…じゃあどこからが悪で、どこまで悪い人なら幸せを望んじゃいけないのか?
マヤの死も、私は千紘たちの視点から物語を見ているから正直ホッとしてしまうけど、マヤは千紘や浩然みたいに幸せを手に入れる権利がなかったのか?
なんてことを考えているとすごくやるせない気持ちになって、この漫画を読みながら泣いたり感動したりしてる私だって、結局はこの二人を自分の都合で消費してきた大人たちと同じようなことをしているんじゃないかという気さえしてしまって、胸が苦しくなりました。
生まれたときから幸せが当たり前じゃない生活を送ってきた浩然や千紘みたいな人間は、その後どれだけ普通の人生を手に入れても幸せになる方法が分からないからまた自分や周りを傷つけてしまう。その不器用さで何度もお互いや自分自身を傷つけていくけど、不器用なりに守りたいもののために頑張る姿を見て本当に心の底からこれからも幸せであり続けてほしいと願わずにはいられませんでした…
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