このレビューはネタバレを含みます▼
作家買い。BLアワードの表紙デザイン部門にも選ばれた程CDみたいなジャケがイカしてる。青の背景に真逆の赤の斜めタイトル、そして2人のドアップがクール。
そして、301ページの大容量!
初っ端から『天国 in the HELL』で出てきたバンド「ノビスパンズ」が出てきて、虫歯先生ファンにとっては嬉しい内容となっている。
ガサツで人間味のある迫力ある音を生み出す車間(くるま)と人間嫌いで綺麗な音楽を創る二兎(にと)の音楽に全てを捧げる2人の話。「タイトルのツーとカーの2人で、バンド名は2と車(にとくるま)」って名前に掛けてるのオシャレだなあ。
月並みだけど似てないから惹かれ合うし、似てるから好きになる2人。
ただ今回の作品、練りに練られためちゃくちゃ気合い入った作品で面白いのですが、まじでツーンっと心を突き刺してくるから中々再読できない一冊。個人的感想です。
主人公に感情移入し過ぎるのと、相方の車間の気持ちがあまり見えにくいのもしんどい要因。
あと何と言っても、2人の矢印先がしんどい。多分一生二兎→→→車間。車間の矢印先は生涯音楽。それは二兎もだけど。そのことを二兎は承知の上で車間のことが好きだけど……くぁ〜〜っ堪らない。多分一生ものの片想い。絆深過ぎるし、あとがきに書かれてるみたいに関係性とかどーでも良いと思うけど、感情としてはやっぱ堪らない。
車間の「優しさより恋よりも音楽が好きだ」って、このブレない軸を持ってる限り強いし生きていけるだろうけど、嘘でも良いから車間のニ兎に対する「好き」の一言が聞きたかったな〜。浅くて野暮かもしれないが、それだけで私はちょっと救われたかも。