時間転移したら憧れの英雄に溺愛されました!
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時間転移したら憧れの英雄に溺愛されました!

クレイン/旭炬

最高です

ネタバレ
2023年10月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 大好きな作者さんです。
令嬢だったヒロインが悪党に拐われ、海へ突き落とされた時最後に思ったことは、夢中で読んだシリーズものの本を完結まで読みたかった、ということ。そしてその願いが叶ったのか、300年前の史実を元にした物語の世界と同じ300年前の現実世界で目を覚ましたヒロイン。そこで本の中の主人公でヒロインの推しであるヒーローと出会います。ゲームの世界へ転生するストーリーはよくありますが、本好きとしてはゲームよりも本の世界、本の中の主人公というところに親近感が湧きワクワクしました。13歳同士で出会った二人は第二王子と侍女という関係でしたが、二人きりの時はヒーローが気を許せる仲の良い友人でした。そして16歳を迎えたヒーローはヒロインに結婚を申し込みます。ちょうどその頃、国内で反乱が起きて、ヒロインは命を狙われたヒーローを逃がす大役を果たします。それはかつて読んだ本の中のワンシーンで、いつの間にかヒロインも登場人物の一人となっていました。またも海に飛び込むことになったヒロインが、再び目を覚ますと元いた現世に戻っていました。ヒロインはヒーローのその後を知るためにあらゆる手段を使って歴史を調べ始めます。ヒーローとヒロインの絶望はいかばかりかと涙無しには読めませんでした。ヒーローと離れ離れになってしまった事を嘆き悲しみ、ヒーローの活躍を知ってまた涙を流す日々。そしてヒーローが王妃を迎えたことを知り、心を痛めるヒロイン。ヒーローの幸せを願う気持ちも、自分以外の王妃を受け入れられたショックも、どちらも本当の気持ちだろうと思うと胸が痛みます。その後ヒロインはヒーローとその妻の肖像画を見る機会を得、そこからまた運命が動き出します。時間軸をうまく使ったストーリー展開に作者さんの手腕が光り、本当に面白かった!!こんな展開は予想外で、素晴らしかったです。二人の気持ちを思えば、絶望に打ちのめされるとはまさにこの事。そしてこの絶望を味わったからこその幸せが光り輝いていて最高でした。読み終える頃にはまた号泣でした。途中からヒロインにおいて行かれた感があったのはこれだったのかと、また戻って読み直しました!本当に面白かった、色々書きたいけどネタバレは勿体ないので、読んで欲しいです。私は大満足でした!!
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