Largo ピアニストは緩やかに熱情を奏でる
」のレビュー

Largo ピアニストは緩やかに熱情を奏でる

西條六花/花岡美莉

読み応えあり!

ネタバレ
2023年10月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ とにかく何度も読み返したくなる作品。甘いだけの切なさだけじゃなくて、ヒロイン、ヒーローのリアルな人間味溢れる心の動きの描写で感情移入し過ぎて苦しいけど、ヒロインと同じ気持ちになってヒーローが愛しくなります。ピアノの為ならと年上の女性と簡単に寝ることと、ヒロインを強く想う気持ちと同時進行してしまったヒーロー。ヒロインにとっては残酷で自分だったら辛すぎて絶対無理。でもそれを許したくなるほど、本当にこのヒーローが魅力的でたまりません。自分の興味の対象はピアノとヒロインだけ。ヒロインへの溺愛が可愛いし、言葉足らずで不器用で独特で、変えようのない自分の性格、過去があっても、懸命にヒロインを大切にしようとする所、ただ溺愛じゃなく会話の節々に同級生という対等な距離感もあり、読んでいて清々しいくらいです。自分にピアノを与えてくれた年上の女との歪んだ関係を清算するシーンは見事でした。ヒーローと別れそうになるシーンは怖いくらい切なすぎて、でも何度も読み返してしまう中毒性のある作品。強くおすすめします。
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