薔薇色じゃない
」のレビュー

薔薇色じゃない

凪良ゆう/奈良千春

十五年の紆余曲折物語

2023年10月28日
凪良先生のお話にしては評価の分かれる作品のようで、読むのを躊躇っていましたが、とても良かったです。みんな人間臭いキャラばかりで、BL的ご都合主義とか甘々な物語を期待すると痛い目を見ると思います。私はリアリティのある話が好きなので、シビアでビターな世界観が大いに共感できました。多分20年くらい前に読んでいたら、すごくつまらないと思ってただろうと思います。ある程度人生経験を積んで、過ちを許せる、人間誰しも間違いがあるということを認められるようでないと、共感はしにくいのかなと思いました。キャラクターのことでいうと、私は阿久津みたいな亭主関白タイプは好きではないのですが、後半の行動で好感度が上がりました。カッコ悪いところがカッコ良かったです。水野も特殊な仕事のわりに普通過ぎる印象でしたが、キャラ萌えではなく関係性萌えというか、話している時の二人の空気感が好きでした。それと、才の大将とのやり取りが特に面白かったです。
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