このレビューはネタバレを含みます▼
作者買い。久々の新作で楽しみにしていた。
いろんな時代の環と周。関係性はいろいろで、ともに過ごした時間の長さもほんの数ヶ月だったり、幼馴染みだったりといろいろだけど、どんな時代に、どんな関係でめぐりあっても、深い心の交流があった。
相変わらず余白と余韻の作り方がうまい。
現代編:「子供は生きててさえくれればいい」、母がかつて私に言った「自立して生きててくれればそれでいい」の言葉を思い出した。うちの母にとっては「自立して」もかなり重要ポイントみたいだったけどね、ただ「生きててくれればいい」の境地には、私はなれないかも。
70年代編:プッチンプリンとか、フルーチェとか、黒ひげ危機一髪とか、懐かしいものがたくさん登場。私より先輩の話なんだけど、自分の子供時代のことのように思えて、これって70年代なんだなあと、不思議な気持ちに。あとシーモア島の以前のスレのことも思い出されて、なんかいろんな意味で懐かしい気持ちにさせられた。「独り身の人生自体はそんな悪いものじゃなかった」すっごくわかる、その感覚。周りには散々心配されるけど、周りが思うほど悪い生活でもないのよ、でもこの感じ、共感はしてもらえないんだよな、しょうがないけど。
悲しかったり切なかったり、いい短編集だと思うんだけど、先生の他作品ほど刺さりはしなくて、★3な感じかな、何度か読んだらまた感想変わるかもしれないけど。
そして、今一番気になっているのは、2024年から始まるというよしなが先生の新連載!一体どんな作品なのか、すっごく気になる、すっごく楽しみ!