坂の上の魔法使い
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坂の上の魔法使い

明治カナ子

色んな愛を知った

ネタバレ
2023年11月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ ずっと積んでいたことを後悔するくらいに感動しました。やはり、レビューの高評価は伊達じゃない!!
BLジャンルではありますが、人と人との信頼や絆を描いていて絡むような描写はなく、慈愛に満ちた作品でした。
外伝(『記憶の糸』)1冊を含めて、シリーズ全4巻です。

坂の上の小さな小屋に住む子供のラベルと、魔法使いのリー。ラベルは学校に通いながらリーに魔法も教わっています。
話を読み進めていくと、今のラベルとリーの暮らしの合間に、リーが昔支えていた王様の話も過去回想で出てきて、それがラベルと繋がっていきます。
ここで全てを話すのは勿体無いので、ぜひお話を読んでください…。
王とリーの絆、リーとラベルの絆、ラベルと父親の絆。
全てに愛があり、その全ての関係が尊いと感じられました。
たくさん泣く場面があったのですが私が一番泣いたのは、彼の地でラベルがラベルの父と再会し、別れ際に「元気で暮らせ」と伝えたことですね。かつて自分が母親の死の間際にそう言われたときはわからなかったが、他に何を望むというのだ?というモノローグと共にそう言われたのをみて、これも愛だなぁと…(涙)
その後のリーと王とのやり取りにも大いに涙を流したのですが、やはり子を持つ親にとっては上のシーンが1番刺さりましたね。
何度も読み返して余韻に浸りたいです。
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