このレビューはネタバレを含みます▼
少女漫画は少女が読まないといけないのかも...私みたいなおばちゃんが読んでごめんね...読んでしまったばっかりに「はぁー!?今時自己肯定感を上げるために異性の好意が必須とか言っちゃうの!?しかも兄が!?有り得なくね!?」とか「なんで娘/妹にばっか家事やらせてんの!?」とかそういうところが目についてしまう。少女漫画とはいえどうしてもね、娘を蔑ろにしているように見える描写やヘテロ恋愛至上主義が気になってしまうんですよ。漫画だからある程度なんでやねんな展開(スキンシップ多いのに「かわいい」がいえないヒーローとか、未成年のよその子を勝手に旅行に連れ出す母親とか)には目を瞑りたいと思うんですけど、肝心な主人公の魅力も行方不明では?家族の誰も彼女を否定してないのに勝手に自分を卑下してるし、自分で自分を変えよう!みたいな健気な努力が「君に届け」や「ハニーレモンソーダ」の主人公に比べると希薄。時代の流れに則った価値観やキャラデザを望みます。主人公の自己肯定感を上げるために恋愛を奨める男性二人という意味不明な展開のせいで、その後出てくるスラックス女子の登場や樹と世那のカップリングを望む外野の声など、各所に散りばめられてるジェンダーレスな要素もワザとらしく見えてしまう…。
あと、できれば葵もずっとメガネをかけててほしかったな・・・と思う。シャイで不器用だからこそ、モテモテ男子を沼らせることができるのでは?と思います。
いろいろ書きましたが、あまり悪口ばかり書きたくないので、いいところも書きたいです!3巻くらいから、初期設定のモヤモヤも薄れてきて、いい感じのキュンキュン少女漫画に。
そして!やはり世那が優しいのがいい。その優しさも、わざわざ主人公のピンチを作ってそれを救って、みたいな装置なしで描いているところに著者さんの技量を感じます!