かつて女の子だった人たちへ
」のレビュー

かつて女の子だった人たちへ

花衣ソノ/砂川雨路

酷く薄ら寒いお話だった。

ネタバレ
2023年11月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 不美人だが、愛嬌があって人気者のユミが長年自分を貶めて来た幼馴染を陥れる。ユミは、何故、レミを厭いながら離れずにいたんだろう。その方がずっと執念深く薄ら寒いのだ。
レミを金蔓としか思わない敬士からユミの結婚をバラシて欲しくも無かったな。結婚式への招待状か、「結婚しました」ハガキで知らせてサラリと終わらせて欲しかった。怒りのあまり勝手に転んで唯一の支えである美しい顔に傷まで負わせて。心優しい筈のユミは、そんなにもレミを傷付けたかったのか。「かつて女の子だった人たち」とはこんなにも醜いものだと作者は訴えたかったのか。後味の気不味さが残る読後感でした。この後はレミが顔と美意識だけに頼る様になった母親の呪いに話を転じて行く様子。誰かのせいにせずにはいられないレミの不幸さに目を逸らしたくなります。(だからもう読まない。)人を陥れて尚、人気者で愛され妻としてのうのうと生きるユミにもまたスポットは当たるのでしょうか。それはちょっと気になるけれども。多分もう読まないと思います。(念押し)
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