このレビューはネタバレを含みます▼
スピン元がとても好きで、あの後お兄ちゃんがどうなったのかとても気になってました。坊ちゃまを好きなったお兄ちゃん。情動の視線を坊ちゃまに向ける度に父に折檻され、誰かを愛する事が罪悪だと教えられ続けた育つなんて、そしてそれをずっと引きずってしまったなんて、とても可哀想。希望の無さだけは2人共一緒で、幸せに死ねことが出来るだけの愛なんて悲痛以外の何ものでもないです。心を殺して生きて行くしか無かったお兄ちゃんが大人になった今でも助けの要る幼子なのは当然でしょう。たった一つの愛で、唯一の人に失恋し抜け殻となったお兄ちゃんの心のドアをノックし開いたのはとても合理的な秘書さん。ノックし許可を得るなんていうところが、実にポリティカル・コレクトネス(PC)していていいです。この2人ずっとお話しの中でもPCやり続け、社会的意識の高い学生のようで初々しく、「触れていい?」とか中年男性が聞くのは新鮮です。2人が愛し合う様子は一度だけ書かれています。お兄ちゃん、抱き寄せるだけでいいって淡白過ぎですわ(笑) 「下手だ」と告白したり変に愚直ですし。でもお互いを気遣う2人らしい営みでした。このお話しの題名の意味ですが、その部分何度読んでも判らないです。「太陽はいっぱいなんかじゃない。たった一つのものだ。」どういう事なんでしょう?太陽が全てでは無く、幾つものある中の一つのものという事なのでしょうか?