待人は遠くにありて
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待人は遠くにありて

ふさ十次

設定がザツ

ネタバレ
2013年12月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 遠距離恋愛がテーマであるにも拘わらず、その部分の設定があまりにも杜撰で呆れた。今どき電車で9時間もかかる距離なら普通飛行機を使うと思うし、そんなにも遠い上に「新幹線に乗らせてもらえない」(第2話より)組の懐事情や規律の厳しさ?を考えると、第1話で気軽に2回も会いに来てることやその後ヒッチハイクして東京までやってきたエピソードの説明がつかない。すべてが非常にご都合主義で安易な、「やまなしおちなしいみなし」の典型です。作者さん、日本の地理に疎いんならなんで相手の住まいを、素直に仙台とか富山くらいのイメージにしとかなかったのか…。あと、田舎者がいっぱい出てくるのに方言はいずこ……日本に標準語を話す人しかいなくなった時代が舞台なのかな…。

また致命的なことに、ヤクザもんを描くにしても小説家の卵を描くにしても、作家の力量不足・リサーチ不足が目立つ。キャラの性格や絵は嫌いじゃなかったけど、ディテールが適当すぎて物語に集中できなかった。親分があんななのにその後継者候補と目される人間が背中にイレズミのひとつもないとはねぇ…言葉遣いも所どころ「~しちゃう」とかって崩壊してるし……(TT)。舎弟たちがその「侠気」にホレて敬愛しているほどの男が、あっさり彼らを捨てて責任も放棄して恋に走るっていう展開のバカらしさ加減にもがっかりしました。
何にも考えず瞬間の思い付きでヤクザって設定にしただけなんだろうなぁ。ちょっと期待しちゃった私がバカでした。残念です。
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