鈍色の重さが伝わる





2023年11月18日
「蜜花」と出会ってなければ、辿り着かなかった作品。苦手分野がてんこ盛りだと分かっていたので、積み本のまま手を出せずに来てました。4巻発売で、意を決して読んだところです。でも構えていたほど、心が疲弊することは無かったので、読みやすかったと思います。誰でもOKな作品ではないでしょう。4巻に渡るので濃厚で、4人の鈍色の有り様がしっかり描き込まれて、それぞれの気持ちに共感はしませんが理解は出来ました。生々しさと、どこか遠い感じがあり、罪と罰もキッチリある。主役の誠と相の、共依存とも、母親を含めた三角関係とも見える激しく強い関係性は、BLとして見てもあまり気持ちよいものではなかったです。救いようのない場所に救いがあるのが、救えない。勇と六に光が見えたのが救い。子供が求める『母の愛情』が、ストーリーの核でベースで、それが痛々しく、切なく、愛おしかった。

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