転生したら悪役令嬢になりました。婚約破棄のイベント、早く来い
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転生したら悪役令嬢になりました。婚約破棄のイベント、早く来い

和泉杏花/m/g

緊張(悪意)と緩和(ファンタジー)の連続

ネタバレ
2023年11月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 悪役令嬢モノを読んでいると、多くは断罪までに「ゲームヒロイン側からの陰謀」と「ゲーム補正」が悪役令嬢にのし掛かって来ます。どちらも影響するのは攻略対象の男性と狭い周囲のみ、断罪を終える迄の辛抱の事が多いですが、この物語は違います。私はこんなにゲームの強制力の強い悪役令嬢モノを読んだのは初めてで恐怖を感じました。
リウムは何をしてもしなくても、とにかく国中の全員から悪意を持たれ爪弾きにされます。ゲームの主役は妹なので、姉の実績や善行は全て妹のもの。個人の陰謀とかで無く本当に国民の記憶がすり替わっていきます。なぜかゲーム補正が効かず唯一の味方である従者のフィロへの秘めた恋だけが心の支えです。リウムは妹を虐め抜く悪役令嬢の汚名を強制的に着せられた挙げ句、断罪され国外追放されます。
リウムは追放された事により国内では絶対だったゲームの強制力から外れ、ここからすごい勢いで巻き返します。恋人も仕事も仲間も手に入れて、本来の努力に見合った評価を受けられるようになります。
ゲームヒロインはそれなりの罰を受けます。自分が望んだ通りの、でも絶対望んで無かった結末に泣くヒロインは自業自得過ぎて哀れです。
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