十六夜の彼方、百年の戀の物語 時を超えて海軍少佐に娶られる
ユーリ/唯奈
このレビューはネタバレを含みます▼
ヒロインが崖から落ちて100年前の世界にタイムスリップします。倒れていたヒロインを助けてくれた軍人ヒーローとのラブストーリーです。突然大正という時代で目覚めたヒロインは知り合いもなく、いつかは戻りたいと願いながらも方法もなく、ヒーローの下で、現代との違いに四苦八苦しながら生活します。エリート軍人のヒーローでしたが、自身も境遇に悩みを持っていて、孤独なヒロインの力になりたいとあれこれ世話を焼きます。二人の所在ない様な、心許ない不安な気持ちがよく伝わってきました。そして一緒に過ごすうちに惹かれ合っていき、二人は結婚します。もう元の生活よりもヒーローの側にいたいと決意し、幸せな新婚生活を送っているところで戦争が始まります。ヒーローの出兵が決まり、二人で過ごす時間は痛々しく号泣でした。少し前なら私も戦争は昔のことだったり、他の国で起きていることで、実生活に直結するとは思えませんでしたが、昨今の世界情勢をニュースで見るたびに、以前よりもずっと現実的に思えます。この後二人はどうなるのかとハラハラドキドキで2巻目は一気読みでした。救いのあるストーリーでしたが、現実はこうはいきません。戦争になって欲しく無いと強く思いました。
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