恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。―妹と結婚した片思い相手がなぜ今さら私のもとに？と思ったら―@COMIC
家守まき/永野水貴/とよた瑣織
このレビューはネタバレを含みます▼
心から唯一求めたけど叶うことのなかった恋、既に諦めたはずなのに過去に求めた相手と瓜二つの彼の息子（ロイド）。否応なしに思い出される主人公の今となっては苦くて複雑な過去の記憶や感情。それがとてもうまく表現されていて、素直に共感できるところがいいです。自分の容姿に無頓着なところがある主人公ですが（主人公が自分の容姿の良さに気づかず行きすぎた天然や鈍感さで話しが進んでいくのは個人的にはしらけてしまって読むのをやめてしまうことが多いのですが）、行きすぎた感じはなくそのリアルな感情の機微や表現に、素直に感情移入できました。主人公以外の感情表現も良いので、過去の思い人本人やその息子の色々と主人公に対する歯痒い思いの場面がかいまみれると胸がキュッとします（大好物）。短話のコミカライズから入ったのですが、続きが気になりすぎてノベルを購入したら更にどハマりしました。ちょうどノベルの4巻を読み終えたところですが、『もう…この作品すきっ』。これに尽きます。コミカライズ版の絵もとても綺麗で好きです。ノベルでのロイドの印象は無機質でほとんど無表情に近い印象でしたが、コミカライズのロイドの方が柔和で表情が明るい印象です。どちらも好きです。シリアスな感じでお話が進んでいくのが好みな人はぜひ読んでもらいたい。
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