10年間身体を乗っ取られ悪女になっていた私に、二度と顔を見せるなと婚約破棄してきた騎士様が今日も縋ってくる
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10年間身体を乗っ取られ悪女になっていた私に、二度と顔を見せるなと婚約破棄してきた騎士様が今日も縋ってくる

ぼてまる/琴子/ボーダー

タイトルに疑問。そして一冊一冊短い

ネタバレ
2023年12月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 1冊目を読み始めてしばらくすると、タイトルの「縋って」という意味を何でタイトルにしたんだろうと思うことになります。

主人公は黒魔術のような物で、田舎の★隷女性と中身だけが入れ替わってしまい、少女時代の10年酷い扱いを受けて突然元の体へ戻ってきた貴族の令嬢で戻った瞬間に婚約者に婚約破棄を言い渡されてしまいます。

ところが実は中身が変わってしまった10年、主人公へずっと断ち切れない思いを持っていた婚約者は、嫌悪する発言や態度はあるものの、なんだかんだと破棄の手続きを先延ばしにしていたようで

本人が体に戻って来た後も、破棄をすると言っておきながらああだこうだと先延ばしにしながら3冊目に至っています。

…正直いって、婚約者は主人公に対して一切「縋った」様子は見せていません。未練たらしく悪女になり果てた主人公思ってはいた、というのは続いていましたが

どちらかというと、堂々とした貴族騎士であり彼女に対して実情を完全に理解してからは同情的であり「彼女を長い間諦めず、見捨てなくてよかった」というような感じです。

話の内容はタイトルとだいぶ差違があるよとは思いますが、主人公も推せますし同じように入れ替わりで村で労働させられていた貴族の友人達のことも含め、なかなか面白い話だと思います。

ただ、コミックとしては人物などは魅力的に描かれて美しいのですが背景描写など風景的な表現画力が低く、ちょっとその辺が加わると内容がシリアスな時など表現に凄みが薄く稚拙に感じてしまいます。またロマンス的なときめきシーンもある(あるはず…)なのですが、ストーリー内容のせいより漫画表現力の薄さのせいで、ロマンスはない!に等しく感じてしまうところがあります。

あと…レビューで一冊二冊、と書いて1巻、2巻という書き方をわざとしませんでしたが…内容ページが価格と比較すると短い気がします。ストーリーを楽しむなら読んでも良いと思いますがラブロマンスを期待するのであればあまりお薦め出来ません。
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