天才子役、誘拐される
」のレビュー

天才子役、誘拐される

日高トラ子

完読していない方は読まないで下さい

ネタバレ
2023年12月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 大袈裟なレビュータイトルですが、長文を書いて削除されるのも辛いので。ミステリーのキモはラストです、そこで今までの謎が瓦解しカタルシスを得るわけですが、この作品では明確な答を用意していません。冒頭から、あらゆるモノに唾を吐きかける様なエピソードの羅列、これは伏線になっており読後にスッポリとピースとして嵌ります。終盤には、母親を登場させてミスリードを狙ったり、刑事に別のラストを語らせたり。犯人像としては、某国の非合法組織という事になると思いますが、金銭目的の誘拐事件ではなく、模倣犯の誘発にあって社会の混乱です。主人公は生存の為に犯人達をコントロールしようとし、その父親は金の為に視聴者をコントロール、犯人達は事件で社会をコントロール。そして作者は多重構造の今作で読者を・・・。ミステリー好きの読者の為のミステリーの良作、お薦めします。あれ?
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