こどもの瞳
」のレビュー

こどもの瞳

木原音瀬/街子マドカ

瞳に射抜かれてしまった人

ネタバレ
2023年12月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 記憶喪失でこどもに戻ってしまった兄、仁。奇妙な同居生活は常識では考えられないことがたくさんおきます。過去の出来事を祖母から聞いた時、岬の心中を思うと、凄く切なかったです…。道具の様に扱われていた兄…。弟を大切にしたい想いが芯にあったとはいえ、辛かったでしょう。記憶戻った後とのギャップがもの凄くて、妙な気持ちになりました。書き下ろし短編は城太郎のせんせい目線。城太郎の真っすぐさと残酷さと。おとなになって、それはどんなふうに花開くのかは推察するしかない先生ですが、堪えて離れた苦しみからの解放が福音となれば良いな。なんとも切ないお話でした。やっぱりの木原作品は読み終わるまで止まりません。
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