このレビューはネタバレを含みます▼
連載中は話に入り難くて敬遠していた作品だがレビュー評価が高いし、カラー版でえが見やすそうだったので完結後に手にしてスタートから読み始めたら途中から惹き込まれて面白くて一気に読了していた。
よくある埋蔵金を探す冒険ファンタジーだが、日露戦争終戦後が舞台でアイヌが残したとされる伝説の金塊を巡って繰り広げられる三つ巴の争奪戦。旅順攻囲戦を戦い抜いた英雄のひとり不死身の杉元と日本陸軍と戊辰戦争で死亡したとされるが実は密かに生かされ投獄されていた土方歳三が個性的な仲間と共闘しての争奪戦を繰り広げる。
アイヌ文化への造詣が小ネタとして散りばめられているから少女が戦闘の最前線で戦い続けられる裏付けになっているし。他の登場人物の多くが個性的で魅力的に描かれている。
。一人ひとりのキャラクターの深掘りが丁寧で愛着が湧く。
土方考案とされる新撰組局中法度「士道に背くまじきこと」も作者独自の解釈では、「自分のためだけでは踏ん張れないことも仲間のためであればやり遂げられる」との人物像に描かれている点にも共感を覚えた。