凶愛に啼く獣
」のレビュー

凶愛に啼く獣

宇奈月香/芦原モカ

愛憎。

ネタバレ
2023年12月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 279ページ挿し絵あり。拾い子である伯爵令嬢ヒロインは、類稀なく美貌ゆえ義父から将来王妃に据えるため厳しい教育を施されていた。義父の実子である義兄とはギクシャクした関係だったが、ある日ヒロインは高齢の貴族に嫁ぎ子を産み…という話。お互いしがらみに縛られ身動きが出来なくなったまますれ違った両片想いの拗らせです。どちらの言い分も理解出来るからこそもどかしく、さらにサスペンス仕立てになっているので読み応えがありました。さらに私の最大の性癖であるクズ男の更生と懺悔が抉ってきました。どストライクでした。全部許しちゃうぞー(笑)。ヒロインも頑なではあったけど強さがあって、序盤のヒーローとの対峙は痺れた。屈せず格好良かった。一方悪魔の具現化のような義父の最後があっけないというか、もっと拷問攻めしてくれても良かったのに。対するヒーローとサシャ王の冷酷無慈悲ぶりはあれで良かった。けどサシャ王とヒーローの約束って何だったんだろう。読み落としたかな。挿絵は綺麗でしたけど、ヒロインちゃんは想像より可愛めだった気がする。
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