機動戦士ガンダム0083 REBELLION
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機動戦士ガンダム0083 REBELLION

夏元雅人/矢立肇/富野由悠季/今西隆志/サンライズ

この作品にて0083を正史に加えるべき

2023年12月19日
やれ「ガンダム試作機が歴史から見て高性能過ぎる」とか「ニナが悪女過ぎて胸糞悪い」とかいう理由でガンダム好きからは嫌われがちな0083という作品。それ故か未だに正史扱いされず、確かに時間等の制約が多かったであろうOVAではそんな感想を持ってしまうかもしれないが、この作品にて完全にリファインされたと思う。星の屑成就のために死をも恐れぬ気合いで挑んでくるデラーズフリートに対し、それさえも自らの野心達成に利用しようとする連邦とシーマとアナハイム、そしてそれらに振り回される現場のアルビオンクルーの苦労を、魅力的な登場人物とその背景および心情の変遷を一話一話丁寧に描くことにより、完璧に描き切っている。それによりOVAでは癖が強かったニナやモンシア辺りも、魅力的とは言わないが自分の信じる物に対し正直に向き合った結果だったのだと理解でき、人間臭さというか親近感を感じるようになるであろう。今まで多数のガンダムエース作品を読んだが、時代背景、登場人物、緊迫した戦況、登場MS、作品内で描いているその全てにおいて一番完璧な作品だと思う。そもそも空き過ぎた初代とZの間を埋め前後を繋ぐ作品として設定がよく出来ており、単に表現方法の問題だけだったということがこの作品を読むとよく理解できる。これをもって0083を正史に加えていただきたい。
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