あなたが選んだのは私ではありませんでした 裏切られた私、ひっそり姿を消します
矢野りと/やこたこす
このレビューはネタバレを含みます▼
今読み終えたところだけど、もう最っっっ高です!
心理描写が各視点しっかり書かれているから、もう感情移入がすごくてどっぷりと浸ってしまいました。
ハルもレオンも本当に良い子に育って…特にレオンは複雑な身の上で母親がアレなもんだから、余計に「君よくそこまで立派に育ったな!?」とヨシヨシしてあげたい気分。
きっと叔父上や屋敷の人たちのまっすぐな温かい愛情をたくさんもらったんだろうね…。
キャラクターもメインもサブも皆印象的で、ほんと捨てキャラいねえなってくらい魅力的に書かれてるな、と感じました。
ミン団長と叔父上大好きです。あなた達がアナとキオのそばに居てくれて、本当に良かった…彼らがナイスアシストするたびに、思わずありがとうって呟いちゃったよ。
サーシャもただの悲劇のヒロイン気取り(実際彼女の出産前の境遇は悲劇だけど)の嫌な女じゃなくて、キオとの結婚後の10年間はアナとの対比になってるんですよね。
かたや己の悲劇に浸って、環境におんぶだっこ状態で周りとの関係を碌に構築することなく生きてきた女性と、かたや辛い境遇にくさることなく自分の足で立ってひたむきに前を向いて周囲と関わって生きてきた女性。
よく計算されているなと思います。
ただサーシャの行動のツケが結果的にレオンを傷つけてるのがちょっと腹立ちますけど。
サーシャがレオンにどう接してきたかがもっと具体的に書かれてると、なお良かったかなと個人的には思ったり。
しかし何よりも、最後のキオとアナの結婚式のシーンが本当に感動的で…、アナは「奇跡だ」って言ってるけど、違うよこれはアナが今まで築いてきたことの全てが、巡り巡って自分に返ってきた結果だよ…と心から思いました。
読み終えた気分はシュプレヒコールです。
素晴らしい作品でした。
いいね