社畜デスゲーム
」のレビュー

社畜デスゲーム

金丸栄一/あさはら

奴隷発想の人はずっと奴隷

ネタバレ
2024年1月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 第1巻第1話の1コマ目、デスゲームの勝者のインタビューから始まる「ゲームが私のすべてを変えてくれました」「私は“奴隷”だったのです」「子どもの頃は周囲の大人の奴隷」「大人になってからは社会の奴隷」「そして何より」「お金の奴隷」。
「一昨年ゲームに勝つことで」「私は生まれて初めて」「自らの人生をこの手に掴んだのです」。
だが「残念なことに、この方は未だに奴隷のままってことに気づけていない」「作者によって創り出された役割に応える奴隷」であり、実は「作者自身も実は奴隷の一人」でしかなく「競争社会の奴隷」「競争社会を勝ち抜くことでしか自分らしさを感じることができない」残念な奴隷の一人なのかも知れない。
競争社会の奴隷の人生は「唯一の勝者の座の争奪戦」。
「奪い合い、蹴落とし合い、責め合い、足を引っ張り合う」。「憧れ、羨み、妬み、弱点を欠点を探り合い、失敗を落ち度を貶し合う」。
競争社会に生きる奴隷の人生は限られた少数の資源を多数で争い奪い合う人生。競争社会に生きる奴隷に人生はまるで無味乾燥の食物連鎖で繰り広げられる弱肉強食の世界に似た構造。抜け出せずにもがき苦しむ奴隷たちの物語。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!