このレビューはネタバレを含みます▼
この作者さまの作品はどれもキャラクターが1人の人間として生きていて、読み終わるころには自分も一緒の時間を駆け抜けたような、一種の開放感があります…
窓から見えるあのちっぽけな海、夢想した景色よりも私には美しく見えました。
ラストシーンのその先で、続く未来が苦しい時もあれど、何があっても寄り添うことを諦めないでいてくれるのではないかと、あの海が保証してくれているような気がするのです。
かつて思い描いた理想の未来とは変わっていても、共にあることを選んだ二人の道行きに、どうか少しでも幸せが多からんことを。