斜光線~人肌の秘めごと~
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斜光線~人肌の秘めごと~

沙野風結子/梨とりこ

暗い辛い痛い

ネタバレ
2024年1月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 和叉(かずさ、受け)がもうずっと暗い闇の中でもがき苦しんでいて、全編通して暗い、つらい。嫌なシーンもがっつりある。
暗いのだけれど、夕方の描写とかがきれいで、物語に時折光が差し込んだかのような美しさを感じてはっとさせられた。でもやっぱりつらい、暗い。
そんでもって沙野作品でおなじみ?な強引で勝手でわがままな攻めがこれまた時折かわいい。今作のかわいげポイントはやきそば好きなとこかな。傷ついた獣のような塔野(攻め)がやきそば食ってるシーンは非常によい。
和叉の心情の変化は、ええ、こんな風にいくかな、と言いたくならないわけでもないが、和叉と塔野がお互いの傷を慰めあうような雰囲気というか流れみたいなものは妙にひきつけられた。そんでやっぱり沙野先生の書く濡れ場はエロい。塔野も和叉もどっちもエロかった。塔野の喘ぎというか呻きもよいよい。「レンズに性器をなめまわされる」って表現がまた、よい。
有坂に脅されくだりについては、和叉のうかつさより、むしろ塔野が諸悪の根源というか、テラスなんかで致すから写真撮られちまったんじゃねえかよと塔野に文句を言いたくなったよ。そういう意味では作者の別作品、共謀シリーズのキリト(攻め)が脅されたのを思い出してしまった。やつも無理やりやってそれを撮影して、結局はそのせいで脅されてキリト何やってんじゃ!と思ったからね、そんでもって他の方のレビューでも書かれていたが、本作に共謀シリーズの「ニュース・ダブルツー」「之貞栄治」の文字が登場して私もテンションがあがった。(カレーライス)
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