いつもそこには俺がいる
」のレビュー

いつもそこには俺がいる

綺月陣/周防佑未

楽しかった

ネタバレ
2024年1月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作品内容のところに、「婚礼前夜、最後のセッ クスをしてさよならするはずが」と書かれていて、背徳的でクズなにおいと、でもたぶんコメディではあるんだろうなーな感じに引き寄せられた。三部構成で、最初の「いつもそこには俺がいる」が全体の42%を占めていて、この42%という短い中で披露宴が展開し、披露宴が進む中で合間に過去のあれやこれやが語られる、この最初の話が特によかった。結婚するには何か事情があるんだろうと思っていたらやっぱりそうで、そういった意味では意外性みたいなものはなく、ちょっと無理やりな感じはした。でも強引な真崎(攻め)と鈍感な倫章(受け)のやり取りが楽しいし、何年も思いを告白できずに片思いしてるみたいな設定がそもそも好きだし、エロの描写も好みで萌えたし、何か事情があるのだろうと予測しながらもどういった事情なのかが気になってぐんぐん読めた。高校時代に初めて致した時の話もなんかよかった、ドキドキした。
後半のフランス旅行や新居の話も楽しかったけれど、何の相談もなく一緒に住む新居を勝手に購入して、それをさもいいことのように思っているような攻め、二人で旅行しているのにすべて相手任せな受けというのは実はあまり好みではないし、つまらないことでけんかして仲直りするエピソードとかもちょっと萎えるのだけれど、なんかそれってどうなんだよーと思いながらも、不思議な楽しさがあるというか、自分にとっては好きではない部分が、むしろ楽しく感じられて、話のテンポやノリが好きだった。続編も読みます。
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