行き遅れ令嬢が領地経営に奔走していたら立て直し公に愛されました
今泉香耶/宛
このレビューはネタバレを含みます▼
戦争、しかも敗戦により国中が疲弊している中、必死に立て直そうとしてきたが不慮の事故で当主の父が亡くなり弟は幼い上に重体。そこへ立て直し公が来るのですが、古い価値観で女性は領地運営どころか知識を持つことも厭われるお国柄があり、また跡継ぎを産むという女性にかかるプレッシャー、望まれたように男の子に生まれなかった娘の気持ちなど、お察し下さいというように綴られていきます。登場人物たちのやり取りが軽妙で重たさはなく、領地の立て直しも難しく書かれていないですが、単純に公爵様と出会って溺愛です!って内容ではないので、ラブ重視、溺愛ものが好きな方にはガッカリかも。事件も無く悪役もおらず、ラブ度も低いのだけど、当初からヒロインは公爵にお熱(違う意味で)が、恋愛感情を意識するきっかけから、それぞれの心の中でのじわじわした動き、自然とそうなるよね〜って微笑ましいエンディングでした。男爵令嬢と公爵様という身分差ですが、このヒーローの気を引けるのは他にいないでしょうという組合せです。面白かった!
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