魔鬼【タテヨミ】
」のレビュー

魔鬼【タテヨミ】

フカキショウコ/hanheun/B.Cenci

痛々しい程の、それぞれの形の愛の姿

ネタバレ
2024年1月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ とても複雑…というか、本当はきっと簡単な事のはずなのに、取り巻く環境や色んなしがらみなどのせいで人生の歯車が狂ってしまった、とある美しい男女の双子とその双子を巡る人間たちが織りなす、歪な愛の叙事詩というようなお話でした。簡単にレビュー(評価)という感じで書ける内容では無い様に思います。

注意書きをするとするのであれば、読んでいて不可解な程にねじ曲がっていく痛々しい愛情表現・妄執的な執着愛・血なまぐさい戦闘描写などがあるので繊細な人にはおそらく幸福な時期と不幸が迫る時期の落差はかなりしんどいです、メンタル的に胸が痛むような事柄が二人の間には多々発生します。

【ネタバレ】

主に双子の姉と、その弟の(ふりをして)共に育った悪魔との関係を中心に、悪魔に呪われた血族である双子とそのの母、その眷属の血なまぐさく生々しい人間模様・恋模様が描かれていきます。(近親相★のように見えますが、実際には近親相★ではなく、異種★婚の方が合っている気がします。)

少しずつ読み進んでいくにつれ、50話を過ぎるあたりから双子の成長過程で課された深刻な精神ダメージなどからくる二人の病み的な行動・狂言と前世的因業回想の行き来が忙しくなり、ただでさえも双子の行動・思考は狂気に満ちていて理解が難しいのに、

(映画でも字幕放映でよくありがちなのですが)翻訳者の翻訳・表現力の足りなさ等があるのか、度々行動の理由描写理解が読者にゆだねられているのか…省かれて下手なことになっているのかで、益々読み手の困惑度合いが増してしまいます。

結局最後まで読んでも、「多分」、「おそらく」、「きっと」こうなんだろうな…でわざと物語が終わってしまっていますので双子がどうなったかの予想は読み手にゆだねられています。

イラストはとても力強く美しく、それぞれのキャラをとても美しく表現出来ているように思います。色んなコミックを読みましたが私が読んだ物語の中でも、抜群に美しいイラストレーションではないでしょうか。

ラストまで読みましたが、あの後二人は何処へどうなったのだろう、何もかも捨て自由になって二人手に手をとってひっそり静かに3人で暮らしていて欲しい…と考えずにはいられません。


-1★にした理由は金額です。他の方々が書いてあるように、今更まとめて読むとなるとバラ売りという特性上、ものすごい金額になるということです;。
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