イノセント ベル【コミックス版】
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イノセント ベル【コミックス版】

ハイドランジア ケージからのアンサー

ネタバレ
2024年1月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ シークレットノート→ハイドランジア ケージ
→イノセント ベルの順番です。Ωの社会的地位が低く、辛い目にあいがちな世界で、不遇なΩが上位αに溺愛されるシンデレラストーリーだった前2作。巻を重ねるごとに、シリアスさが増してきて、イノセント ベルが、一番重い、そして深いです。3作のαは親族で、Ωは血縁はないものの関わりがある。ハイドランジア ケージから、チラチラ見えていた点がちゃんと線になった3部作完結編…かな。まだ、見たいけど。
ハイドランジア ケージΩヨヒラの、育ての親の様な存在だったトトキと、横柄俺様α雨情の血縁のない叔父の朝陽。事故で亡くなったはずの二人の物語です。トトキと朝陽が出会った時、トトキは底辺の生活をして荒れてましたが、実は名門の妾腹で、13歳の時にある出来事をキッカケに、家を出てます。朝陽は、αと言っても下位、父親がΩを助ける清廉な医師であり、病院と言っても裕福ではありません。その朝陽は家族のため、自分を見初めた年上で雨情の叔母と逆玉結婚してます。でも、朝陽とトトキは出会ってしまった。運命の番だったのか、単に惹かれかあっただけなのか明確にすることは出来ませんが、二人は次第に離れがたい関係に。出会ったとき、朝陽は単なる妻帯者ではなく、奥さんが朝陽の実家を支援してました。子供はいなかったけれど、誠実か不誠実かの問題だけでなく、奥さんは簡単に別れられる存在ではなかった。奥さんの側から見ると、何の非も無いのに可哀想な話です。でも、朝陽には離れる選択肢が、無かった。結局、その罰は受ける事になるんですが…。朝陽とトトキが出会って、事故で亡くなった、はずのその後。重いけれど、暗くはないです。雨情のおかげで、暗くはないけれど、やっぱり重い。ヨヒラやシークレットノートの双葉の状況と比べると、なんだかトトキの掴んだ幸せに、手放しで良かったとは言えない気持ちになります。でも、もしかしたら、トトキが望んでいた結果なのかもしれないし、そうならトトキの変化も良かったと受け入れらるかな。
けっこう、しんどい事も有りますが、3作とも不憫受けΩが、αに溺愛される、ハッピーなオメガバースです。
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