【文庫版イラスト&書き下ろし付き】異世界召喚されたら、勇者じゃなくてオメガになりました
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【文庫版イラスト&書き下ろし付き】異世界召喚されたら、勇者じゃなくてオメガになりました

鹿能リコ/北沢きょう

何ともまあ複雑な読後感。

ネタバレ
2024年1月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 受けの前に召喚されたオメガが残した昔話の手記が可哀想過ぎて、主人公よりまずそちらが強烈。だってDV初代王に都合よく扱われて洗脳されて番にまでなったのにボロ雑巾仕様になってから家臣に下げ渡されるって悲惨。再婚した先では愛されたのがせめてもの救いだけど、番仕様にされてるから結婚してからも苦しみ続け、ハッピーとはいかないもんだから、気の毒すぎて読んでいてテンション下がりまくり。そして本筋の主人公である受けがデリカシーないギャグ仕様キャラです。攻めの王様はすでに結婚してるし子供もいるし、受けと出会ってからも更に妃を娶りますし、そもそも攻めは受けのことを妾であるとハッキリと言ってるしね。でも王様だしまあ夢はないけどそういう愛しかたもあるかと現実的な設定。しかし小説でわざわざ現実突きつけられるような設定いらんよ夢見せてくれよ派の私的にはどこにも萌えポイントなかった。何でこんな最低な設定にしたのか、意味わからん。しかし不思議と最後まで読めた。それはひとえに受けの底抜けのオタク体質天然ギャグキャラのおかげ。最初は何だコイツ、キュンともしない魅力ない受けだなあ、なんですが読んでるうちに健気な部分や可愛い部分もあり、何より鉄メンタルには脱帽ものです。色気もヘッタクレもあったもんじゃないですが胸糞設定を吹き飛ばしてくれる得難い有難いキャラでした。
で、読後感としては、何なんこれ、私は何を見せられたんか、ギャグとシリアスと悲壮感と下ネタとDV 男とファンタジーのその他諸々ごった煮で頭の整理が追い付かず、終了しました。定価では絶対に読みたくないけど他に類を見ない作風ではあった。
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