SOUL CATCHER(S)
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SOUL CATCHER(S)

神海英雄

歌うの語源は「訴う」か「(心を)打つ」か

2024年2月1日
特異体質のキャラが沢山登場。その最たるものが、他人の心が視覚化されて見えてしまうという主人公の能力。
この発想と描写はユニーク。そのチャレンジが本作品の醍醐味で、課題解決的な側面あり、指揮に活かせる利点あり。同時に、これまでの逃避傾向、深入りしない対人関係を持て余した主人公の此までの自分からの脱皮や成長が描かれる。
描こうとしたものが目の前に呈示されているけれど、絵も言葉も、力強さを感じながらも、私には理解が難しいときもあった。
戦ったり武器や鎧が音楽漫画のはずなのに持ち込まれて、やっぱりこれは少年漫画なんだな、と、改めて思わされる。
コンクール的なイベントには順位付けがあり そこにはどうしたって勝ち負けがあるのかもしれないが、それ以外にもあまりにも常にあっちでもこっちでも戦ってきていて、音楽漫画でありながらバトル色に富んでいて、却って読んでる私の心が休まらなかった。

各パートのそれぞれの特色を、ストーリーの構成として主人公神峰とパートリーダー達とのやりとりの中でスポットライトが当たる、そこはうまく興味が向かうようになっていて良かった。

特異体質が多すぎるのがしっくりしなかった。
その一方で、理想の音の追求のひとつの描写として、個性的な部員達の一定の理解を進める為のゴール設定の道具のひとつであったかと思うと、共感覚は重宝だったと感じる。

巻を増やすにつれ他の登場人物登場に押されて相対的に刻坂響の扱いが弱くなったが、谺先生のミッションコンプリートが傍らにあったとはいえ、もう少しキーパーソンとして活躍の場が、私は欲しかった。
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