狼、人を抱く。【コミックス版】
」のレビュー

狼、人を抱く。【コミックス版】

山形シン

優しくて少し残酷。でも、温かい。

ネタバレ
2024年2月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 獣人と人間が共存する世界。人型になれる獣人もいるなかで狼の獣人である桜紫狼は人型になれず、共存と言ってもいまだに獣人への偏見や差別は根強く、医師の仕事上でもプライベートでも傷付くことが多い。

一人暮らしの桜紫狼がお気に入りの惣菜を買いに行ったスーパーで発声に障がいのあるユキと出会い、獣人にも優しく接するユキに一目惚れの桜紫狼。

仕事で怪我をしたユキと病院で再会し、なぜか桜紫狼だけユキの声が聞こえることが判明。二人は運命かもと気持ちが盛り上がるのと同時に獣人である自分がユキに想いを伝えることはできないと物理的に離れようとする桜紫狼が切ない。


人型になれない桜紫狼が受けた子どものころのイジメ、人間からの偏見や差別が作品中に何度も描かれ、その度にチリチリと胸が締め付けられる。

でも、ユキは自身の生い立ちの過酷さも受け入れ、獣人の桜紫狼を一個人として接する人だから桜紫狼がベタ惚れになってしまうのもよく分かる。

獣人という設定らしく桜紫狼にも発情期があり、そのときだけはユキが大変なことになるから小柄なユキが獣人の桜紫狼と付き合うのは覚悟が必要。

一途な桜紫狼とユキが仲睦まじく、幸せに暮らしていけそうで安心した反面、ユキが20歳未満だったことにビックリ。彼は一体いくつなんだ?
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