Ω令息は、αの旦那様の溺愛をまだ知らない
」のレビュー

Ω令息は、αの旦那様の溺愛をまだ知らない

仁茂田もに/凩はとば

脇役までキャラ描写秀逸で魅力的な世界観

ネタバレ
2024年2月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 今作では完結しないけど続編があるかは未定、知らない作家さんだしそれなら買わないわと思いつつ立ち読みだけ見たら、魅力ある作風で思わず購入。若き王太子攻とその婚約者受け、普通ならこのペアが主役でしょうが今作では王太子カプの脇を固める近衛攻とその妻、ストイック知的礼節夫婦が主役です。両片思いなのは手に取るように分かるので、読んでてジレジレハラハラです。もったいぶった焦れったいストーリーはストレスフルで読むのに疲れる派ですが、これは徐々に確実に二人が思いを通わせていくので満足度高し。普段の冷静上品なお二人とエチの時に見せる激情のギャップがすごいです。日頃愛情を抑えているが故にこれだけの愛が溢れてるのねとグッとくるものがあります。そして二人の子供があーっ可愛すぎ。
注目すべきは脇役までしっかりとしたキャラ付け。そのおかげで魅力的なカプがそこかしこに出てきて、よりいっそう物語への愛着が深まり、飽きずに一気読み。立ち読みの最初に出てくる人物紹介イラストですが、ここに出てきていないオメガが非常に気になるところ。これはおそらく多分アロイスの思い人かな、高潔美人さんで、今は在らぬ罪を自ら潔くかぶって私邸に籠っていて動きがなく登場も回想シーンのみだけど、何とか救おうと攻めのアロイスが奮闘していますし、私も読みながら思わず応援。このアロイス、最初に登場時は主役受けに最低な言葉を投げつけ、なんだコイツと思ったが、読むうちに、必死に思い人を案じる気持ちが暴走しちゃった一途で不器用なキャラなのね、となります。王太子の婚約者オメガも魅力的で、一見可愛らしいのですが魔獣を一人で軽く片付けちゃう王国屈指の魔術持ちで純真で真っ直ぐです。とかくどのオメガも描きかたが細かく、国家の理不尽な差別に苦しみながらもひたむきに必死に生き抜く凛とした強さがあります。黒幕はおそらくオメガ排斥派ですが未だ姿形すら現さず、続編に期待です。キャラ描写が秀逸で、ここには描ききれないキャラ、魅力的なのから気になるのから謎めいたキャラまでゾロゾロでてきてドキドキ。お気に入りの作家さんがまた一人増えました。こんな魅力的な作品を世にだした責任としてぜひ続編まで出して完結させて下さい。こんな長文レビューですがまだまだ熱く語り足りないほど面白かったです。初読み作家さんですが楽しい時間を届けてくれて感謝。
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